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Channel: 占星術思いつきメモ(天体位相研究カルデア)
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阪神淡路大震災の占星学的まとめ

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今年の1月17日で阪神淡路大震災から17年となった。マグニチュード7.3、死者6434名を出した戦後日本で最大の都市直下型地震であり、それまでの社会が持つ、地震に対する意識を大きく改めさせられるきっかけともなる地震であった。年月が経ち都市は再生したが、人の心は1.17より前に戻ることはできない。占星学においては、この大震災の予兆がどのようなものであったのか、地震予知は可能なのかということを中心に検証し、今後の地震研究の礎としたい。

地震の概要:1995年(平成7年)1月17日午前5時46分52秒(日本時間=UTC+9)、淡路島北部(あるいは神戸市垂水区)沖の明石海峡(北緯34度35.9分、東経135度2.1分、深さ16km)を震源として、Mj7.3の兵庫県南部地震が発生した。(wikipedia)

1)1994年の概況
春分図から見る94年の天体現象は、冥王星がさそり27度で、ノースノードが2/22に冥王星を通過したばかりであった。土星はうおに、天王星海王星はやぎにあり、土星と海王星はミューチャルレセプションで地殻は不安定であることが示されていた。太陽とパラス(Pis29.53)は合。人口の多い先進国の都市にターゲットが当たっていたが、何が起こるかは不明。神戸を中心としたアングルに大きな特徴は無かった。

この年1994年1月17日にロサンゼルス・ノースリッジでM6.7の地震が発生。54人が死亡、高速道路が倒壊するなどし、米国史上最も経済的損害の大きい地震となった(wikipedia)。この地震は93年春分図ではICにジュノー火星、ASCに金星と位置表示もあった。しかし94年から95年にかけて経済先進国の都市が直下型地震に襲われたという表示は95年春分の太陽-パラスの合が示し、その破壊力は冥王星-ノースノードの合が示していたと考えられる。この点を踏まえるなら、94年のロサンゼルス地震は阪神淡路大震災の前兆地震であったと捉えるべきであろう。

また別の機会に述べるが、長周期である冥王星とノースノードの合は、この後17年後の2011年11月に再び会合した。東日本大震災が発生したのはその4ヶ月後のことであった。

2)94年新月図との対応
地震発生のタイミングは、直前の新月に震源地を中心としたアングルでMC-IC軸に特徴が現れることがある。神戸を中心とする新月図で特徴があるものを以下に列挙すると、以下の通り。
94.1.12 MC-冥王星の合
94.2.10 IC-火星の合
94.3.12 MC-サウスノード、IC-ノースノードの合
94.4.11 MC-土星の合
94.5.11日蝕 IC-金星の緩い合
94.6.9 IC-土星の緩い合、ASC-冥王星の緩い合
94.8.7 IC-パラスの合、ASC-天王星の合
94.9.6 IC-木星の合
94.11.3日蝕 IC-水星の合
実際にはこれらの新月図をリアルタイムで解読しても、その後発生するであろう地震の震源を特定するのは非常に難しい。合といってもその距離は東京から大阪までの差程度は包含するからである。運用には実際に発生した地震との照合によって前兆かどうかを判断する。ここから分かることは、94年当時の日本列島は地震に晒されやすい状況だったと考えられる。上記の内兵庫県を指していた新月図は2月、9月、11月のものだけで、何らかの予兆が無ければそこが震源となるとは想像しにくい図ばかりである。

3)94年のその他の地震
国内で注目すべき新月図としては3月の図だが、これは3/11に神津島近海地震(M5.0)として出ているが、エネルギー放出が小さすぎる。国内でのM6以上の可能性が残される。5/27には東京東部でM4.1を観測するが、年前半は日本列島はまだ大人しかった。

様相が変わってきたのは10/4の北海道東方沖地震(M8.2)、12/28の三陸はるか沖地震(M7.6)が発生し始めた頃だ。タイミングは、北海道東方沖はノースノードに木星金星がほぼ完全な合を形成した日、三陸はるか沖はノースノードに月が合となった時であった。

世界ではそれまでに2月スマトラ島M6.9、6月コロンビアM6.8、ボリビアM8.2等が発生していたが、年後半の上記日本地域の地震から見ると、ノースノードは94年末時点でまだ非常に強いエネルギーを内包していたということが判別できる。

理由はノードとサインの関係にある。ここ数年の筆者の研究では、ノースノードが女性宮(偶数に位置する星座)にあるときは、その活動が抑えられる傾向にあると分かってきたからだ。94年当時のノースノードはサインさそりで女性宮。ノードに破壊的な力を与えた冥王星もさそりに位置しており、これらのどちらかが次の男性宮に移動するときに、巨大な力を放出する可能性があったのである。ここで予兆の一つが掴める可能性があった。

4)日蝕図による前兆地震の発生
11/3日蝕図ではIC水星が兵庫県西部を指し示していたが、11/9より兵庫県?名川町でM4を含む群発地震が発生し、地震学者はこれが前兆地震だったと分析している。詳細には5月頃から続いていた。占星術では年前半で関西地域の地震を浮かび上がらせるのは難しいが、この日蝕図成立と明瞭な群発地震の発生という結果から考えて、11/3日蝕図により関西地区に地震が発生する可能性を見いだすことは十分に可能であった。



同時に日蝕図は、ターゲットとなる時期をかなり明瞭に指し示す。ピークとなるのは、日蝕図太陽(Sco10.90)とノースノードが完全な合となる95年1月21日、この前後1週間程度が最重要警戒期間となる。

5)直前の新月図による災害の表示
1995年1月1日新月図は、関西地域でMC-ICがサウスノード、ノースノードと合となり、何らかの災害が近い将来同地域で発生することがさらに明瞭となった。この子午線とノードの合は正確には京都-奈良を通る地域で完全な合であったが、結果は日蝕図の示す兵庫県が震源となった。子午線とノードの合は直近から1〜2ヶ月先までの間になんらかの災害があることを示す。



6)地震発生のタイミング
1995年1月17日午前5時46分、明石海峡近くを震源とするM7.3の地震が発生した。前述の新月図、および日蝕図に示された警戒期間内の発震であった。天体位相の特徴は、まず太陽と天王星が完全な合を形成した日であったこと。太陽と月がオポジション(満月)であったこと。これは満月による潮汐力が断層のずれをより激しくしたと考えられる。発震時間はこの太陽-月オポジションがMC-IC(子午線)にスクエア(90度)のアスペクトを取ったタイミングであった。



さらに、冥王星がさそり29.98度にあり、男性宮であるサインいてにイングレスする16時間前という極めて押し迫ったタイミングであった。(3)で述べたように、1994年の冥王星-ノースノードの合でチャージされた強大なエネルギーは、94年末となっても完全に放出されていなかった。男性宮であるサインいてに冥王星がイングレスする1995年1月17日こそ、エネルギーが爆発的に放出される最重要危険日だったのである。このことに筆者が気付いたのは、皮肉にも2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震が、天王星が男性宮であるサインおひつじにイングレスする20時間前に発生したという事実から確証を得たものであった。

7)地震発生後の経過
1995年3月21日春分図では、関西地区MCに土星が合となり、度重なる余震と社会経済的困難が表示され、辻褄の合う結果となっている。

発生から17年の時を経て、やっと執筆できた阪神淡路大震災の占星学的記録だが、これは、さらに一次元上をいく被害をもたらした東日本大震災の研究から導き出された研究結果である。阪神淡路および東日本大震災により犠牲となった方々への哀悼を祈りつつ、これらの研究が今後の地震発生を捉える一助とならんことを願ってやまない。


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